あたご工房
天文と電子工作とコンピュータなどについて日々の出来事を書いています。
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総露出時間が同じならば効果は同じ?
天文を再開して最も驚いた事の1つとして写真の撮影方法の変化があります。
昔の雑誌には露出時間30分とか60分とか(フィルムなので当然1発撮り)が主流でしたが、現在では1分とか3分の露出で枚数を稼ぐという手法が主流のようです。
「総露出時間が同じならば効果は同じ」という言葉を目にすることがありますが、何かが引っかかります。
ヒストグラムで考えてみましょう。
ざっくりですが星の写真はこんな感じのヒストグラムになります。
ヒストグラムの一部を拡大して、輝度値が10〜20位として考えてみます。
露出時間を2倍にすると各輝度値も2倍になります。
10→20、11→22、12→24・・・
つまりは輝度値0〜中央値の部分を階調いっぱいに拡大したようなヒストグラムになります。
これはトーンカーブをいじる強調処理でも再現できます。
しかし、強調処理との絶対的な違いが2点考えられます。
1点目は階調の滑らかさです。
この原因はデジタル処理の丸め誤差と呼ばれるもので、例えば実際の明るさで9.1〜10.0をデジタル化する際には輝度値10として扱います。
実際には9.5の明るさ(デジカメは輝度値10として扱う)を2倍の露出とすると輝度値19となります。
強調処理では輝度値10を2倍に強調すると単純に20となってしまいます。
もう1点の違いとして、ヒストグラムの暗い部分が拡大される効果があるので、バックグランドと淡い部分の分離が良く(=階調差が大きく)なります。
これにより分子雲などの強調がやりやすくなるはずです。
結論として1分露出×10枚コンポジットと2分露出×5枚コンポジットでは2分の方が淡い部分を綺麗に表現できるということになり、「総露出時間が同じならば効果は同じ」とは言えないことになります。
実際にそうなのか露出を変えて撮影してみました。
まだ画像処理が進んでいないので結果は次回です。
↓押していただけると嬉しいです。
昔の雑誌には露出時間30分とか60分とか(フィルムなので当然1発撮り)が主流でしたが、現在では1分とか3分の露出で枚数を稼ぐという手法が主流のようです。
「総露出時間が同じならば効果は同じ」という言葉を目にすることがありますが、何かが引っかかります。
ヒストグラムで考えてみましょう。
ざっくりですが星の写真はこんな感じのヒストグラムになります。

ヒストグラムの一部を拡大して、輝度値が10〜20位として考えてみます。
露出時間を2倍にすると各輝度値も2倍になります。
10→20、11→22、12→24・・・

つまりは輝度値0〜中央値の部分を階調いっぱいに拡大したようなヒストグラムになります。
これはトーンカーブをいじる強調処理でも再現できます。
しかし、強調処理との絶対的な違いが2点考えられます。
1点目は階調の滑らかさです。
この原因はデジタル処理の丸め誤差と呼ばれるもので、例えば実際の明るさで9.1〜10.0をデジタル化する際には輝度値10として扱います。
実際には9.5の明るさ(デジカメは輝度値10として扱う)を2倍の露出とすると輝度値19となります。
強調処理では輝度値10を2倍に強調すると単純に20となってしまいます。
もう1点の違いとして、ヒストグラムの暗い部分が拡大される効果があるので、バックグランドと淡い部分の分離が良く(=階調差が大きく)なります。
これにより分子雲などの強調がやりやすくなるはずです。
結論として1分露出×10枚コンポジットと2分露出×5枚コンポジットでは2分の方が淡い部分を綺麗に表現できるということになり、「総露出時間が同じならば効果は同じ」とは言えないことになります。
実際にそうなのか露出を変えて撮影してみました。
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tag : 天体写真,
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