あたご工房
天文と電子工作とコンピュータなどについて日々の出来事を書いています。
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長時間露出少数 vs 短時間露出多数
前回は独自の理論を展開しました。
その裏付けを取るべく同夜に撮影した露出の異なる写真で比較します。
早速ですが、これは5分露出の画像を強調処理したものです。
撮影データ
MIZAR 150SL F5+Advanced GT
Canon EOS X2 (誠報社IR改造)
MC90L+NexGuideにてオートガイド
2014/01/29 22:52 泉ヶ岳にて
ISO800 5分×4 総露出時間20分
RegimにてRAW現像、ダーク減算、コンポジット
GIMPにて強調
今回、念願のM42下部の分子雲(「天女の羽衣」と勝手に呼んでいます)を出すことが出来ました。
三つ星の一番上の星付近に広がる暗黒帯(こちらは「ハトマーク」と勝手に呼んでいます)も出ています。
強調後のヒストグラムはこんな感じになりました。
さて、お次は1分の画像です。
撮影データ
MIZAR 150SL F5+Advanced GT
Canon EOS X2 (誠報社IR改造)
MC90L+NexGuideにてオートガイド
2014/01/29 22:27 泉ヶ岳にて
ISO800 1分×20 総露出時間20分
RegimにてRAW現像、ダーク減算、コンポジット
GIMPにて強調
強調の度合いはヒストグラムを見ながらバックグランドの位置や広がり方を5分画像になるべく似せるようにしました。
ほぼ同じような強調のさせ方をしていますが、総露出時間が同じでも1枚の露出時間の違いで写り方が全く異なりました。
「コンポジット枚数が増えるとノイズが減って強調をより強くかけることができる」という話もよく聞きます。
そこで、念のため1分画像を極限まで強調してみました。
もう映像としては破綻してますが、「天女の羽衣」は出てきません。
ヒストグラムです。
ホント、「もうムリです!」ってくらい強調してます。
てことで、あたご的には「総露出時間なんてあてにならない」と結論付けざるを得ません。
と書くとちょっと語弊がありますね。
気をつけないといけないのは「ISO感度が同じなら」という条件の話です。
ISO800で5分の画像と同じヒストグラムの形にするにはISO1600だと2分半の露出で済みます。
一方でISO1600に感度を上げるとノイズが増えてしまい、倍ぐらいの枚数をコンポジットしてノイズを低減させる必要が出てきます。
この場合には総露出時間が同じならば写り方もほぼ同じになるでしょう。
ただ、コンポジットはあくまでもノイズを低減させる効果が主体で、淡い部分を浮かび上がらせる効果は殆ど無いと考えています。
淡い部分をあぶり出すなら、「1枚あたりの光量(露出時間×ISO感度)を増やす」しかないと思います。
「じゃあ露出時間とISO感度はどういった組み合わせがベストなのか」という疑問が出てきます。
これは「ISO感度を上げた場合のノイズの増加量」や「ガイドシステムの精度」によってある程度決まってきそうに思います。
追ってこの辺りも独自理論を組み立てていこうと思います。
その前に、せっかく天女の羽衣が浮かび上がったので、きちんと画像処理してみようと思います。
↓押していただけると嬉しいです。
その裏付けを取るべく同夜に撮影した露出の異なる写真で比較します。
早速ですが、これは5分露出の画像を強調処理したものです。

撮影データ
MIZAR 150SL F5+Advanced GT
Canon EOS X2 (誠報社IR改造)
MC90L+NexGuideにてオートガイド
2014/01/29 22:52 泉ヶ岳にて
ISO800 5分×4 総露出時間20分
RegimにてRAW現像、ダーク減算、コンポジット
GIMPにて強調
今回、念願のM42下部の分子雲(「天女の羽衣」と勝手に呼んでいます)を出すことが出来ました。
三つ星の一番上の星付近に広がる暗黒帯(こちらは「ハトマーク」と勝手に呼んでいます)も出ています。
強調後のヒストグラムはこんな感じになりました。

さて、お次は1分の画像です。

撮影データ
MIZAR 150SL F5+Advanced GT
Canon EOS X2 (誠報社IR改造)
MC90L+NexGuideにてオートガイド
2014/01/29 22:27 泉ヶ岳にて
ISO800 1分×20 総露出時間20分
RegimにてRAW現像、ダーク減算、コンポジット
GIMPにて強調
強調の度合いはヒストグラムを見ながらバックグランドの位置や広がり方を5分画像になるべく似せるようにしました。

ほぼ同じような強調のさせ方をしていますが、総露出時間が同じでも1枚の露出時間の違いで写り方が全く異なりました。
「コンポジット枚数が増えるとノイズが減って強調をより強くかけることができる」という話もよく聞きます。
そこで、念のため1分画像を極限まで強調してみました。

もう映像としては破綻してますが、「天女の羽衣」は出てきません。
ヒストグラムです。

ホント、「もうムリです!」ってくらい強調してます。
てことで、あたご的には「総露出時間なんてあてにならない」と結論付けざるを得ません。
と書くとちょっと語弊がありますね。
気をつけないといけないのは「ISO感度が同じなら」という条件の話です。
ISO800で5分の画像と同じヒストグラムの形にするにはISO1600だと2分半の露出で済みます。
一方でISO1600に感度を上げるとノイズが増えてしまい、倍ぐらいの枚数をコンポジットしてノイズを低減させる必要が出てきます。
この場合には総露出時間が同じならば写り方もほぼ同じになるでしょう。
ただ、コンポジットはあくまでもノイズを低減させる効果が主体で、淡い部分を浮かび上がらせる効果は殆ど無いと考えています。
淡い部分をあぶり出すなら、「1枚あたりの光量(露出時間×ISO感度)を増やす」しかないと思います。
「じゃあ露出時間とISO感度はどういった組み合わせがベストなのか」という疑問が出てきます。
これは「ISO感度を上げた場合のノイズの増加量」や「ガイドシステムの精度」によってある程度決まってきそうに思います。
追ってこの辺りも独自理論を組み立てていこうと思います。
その前に、せっかく天女の羽衣が浮かび上がったので、きちんと画像処理してみようと思います。
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tag : 天体写真,
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