あたご工房
天文と電子工作とコンピュータなどについて日々の出来事を書いています。
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ガンマイクの製作(その1)
星見をしていると、人が絶対に通らないようなヤブをガサゴソと移動する音がします。
威嚇のためにPUBGばりに近くにある石を投擲してみますが全く届かず。
早期警戒が可能なように集音マイクを作ってみようと思います。
さて、我が愛読書のラジオライフでは過去に色々なタイプの集音マイクを製作していますが、いまいち効果に疑問があります。
ガンマイクは無指向性のECM(コンデンサマイク)を使いつつ、オペアンプにより前方と後方の音を減算することで指向性を持たせるような記事でしたが、前方−後方だと8の字の指向性になるので、さらに後方用のマイクを追加して減算していました。
この最後のマイクは意味がなさそうです。
昔からあるパラボラ式の集音器の製作記事では金属ボウルの底を丸く叩き出して、底にECMをつけることで指向性をもたせるようにしていました。
これも、光学的なイメージからするとせいぜい単一指向性であり、大げさな形の割に狭指向性や超指向性は得られそうにありません。
ガンマイクの記事をベースにしつつ、フェーズドアレイの原理を使ったら指向性が得られそうに思います。
マイクを何本も並べて、信号をそのまま合成すると鋭い指向性が得られます。
原理と検証に関する非常に参考になるレポートが高校生の手によって出されています。
さて、マイクアレイでは通常音源に対して垂直にマイクを並べます。
斜めに入射してくる音に対しては音波の位相がずれるためレベルが低下します。
ところが、それぞれのマイク出力に異なる遅延時間を持たせると、斜め方向に感度を持たせることができるようになります。
この考え方を90度の方向、すなわち音源に対してマイクが前後に並んでいる場合に適用します。
前方のマイクに音が入ってから後方のマイクに音が入るまでの時間は音速分遅れることになります。
音速は340m/sですが、1ms(1000分の一秒)だと340mmすなわち34cmとなります。
前方から来た音が前方マイクに入ってから、後方マイクに届くまでに1msかかるということになります。
一方、真横から来た音は、ほぼ同時に両方のマイクに入ります。
1msのずれってどのくらいでしょうか。
ちょっと実験してみます。
YoutubeからNHKのニュース音声を切り出してみました。
ヘッドホンを使って聞いてみてください。
testsound_org.mp3
次に、ちょっと細工した音声です。
左側からしか音が聞こえてこないように聞こえます。
testsound_edit.mp3
この音声波形ですが、実は左右とも「ぼほ」同じ波形です。右耳だけで聞くとちゃんと聞こえていると思います。
実は左のchだけ先頭部分を1ms削除しています。
つまり左だけ右よりも1ms早く音が聞こえるのです。
波形のお尻部分を拡大すると左chだけ1ms短くなっています。
自分の左耳から右耳までをメジャーで測ってみたらちょうど34cmくらいでした。
つまり左耳に入った音が頭部を回り込んで右耳に到達するのがちょうど1msくらいなので、音のレベルはほぼ同じなのに真左に知覚(右耳には音が聞こえないように感じた)ということなのでしょう。
面白いですね。
さて、上記の左chのみと家の近くで録音した環境音を合成してみました。
アナウンスがぎりぎり聞こえるくらいに調整しています。
これがちょうど1個のマイクで録音した場合の音になります。
testsound_mix.mp3
次に右chも含めて環境音を合成し、その後左ch先頭に1msの空白を追加した音です。
音声のタイミングは合致して、環境音は1msずれることになります。
testsound_mix_delay.mp3
アナウンスがはっきりしたと思います。
一方で環境音はエコーが掛かったような感じに聞こえます。
ただ、まだまだ環境音に埋もれてしまっていますので、環境音をもっと抑制しつつ、対象音を増幅するような処理が必要になりそうです。
↓押して頂けると嬉しいです
威嚇のためにPUBGばりに近くにある石を投擲してみますが全く届かず。
早期警戒が可能なように集音マイクを作ってみようと思います。
さて、我が愛読書のラジオライフでは過去に色々なタイプの集音マイクを製作していますが、いまいち効果に疑問があります。
ガンマイクは無指向性のECM(コンデンサマイク)を使いつつ、オペアンプにより前方と後方の音を減算することで指向性を持たせるような記事でしたが、前方−後方だと8の字の指向性になるので、さらに後方用のマイクを追加して減算していました。
この最後のマイクは意味がなさそうです。
昔からあるパラボラ式の集音器の製作記事では金属ボウルの底を丸く叩き出して、底にECMをつけることで指向性をもたせるようにしていました。
これも、光学的なイメージからするとせいぜい単一指向性であり、大げさな形の割に狭指向性や超指向性は得られそうにありません。
ガンマイクの記事をベースにしつつ、フェーズドアレイの原理を使ったら指向性が得られそうに思います。
マイクを何本も並べて、信号をそのまま合成すると鋭い指向性が得られます。
原理と検証に関する非常に参考になるレポートが高校生の手によって出されています。
さて、マイクアレイでは通常音源に対して垂直にマイクを並べます。
斜めに入射してくる音に対しては音波の位相がずれるためレベルが低下します。
ところが、それぞれのマイク出力に異なる遅延時間を持たせると、斜め方向に感度を持たせることができるようになります。
この考え方を90度の方向、すなわち音源に対してマイクが前後に並んでいる場合に適用します。
前方のマイクに音が入ってから後方のマイクに音が入るまでの時間は音速分遅れることになります。
音速は340m/sですが、1ms(1000分の一秒)だと340mmすなわち34cmとなります。
前方から来た音が前方マイクに入ってから、後方マイクに届くまでに1msかかるということになります。
一方、真横から来た音は、ほぼ同時に両方のマイクに入ります。
1msのずれってどのくらいでしょうか。
ちょっと実験してみます。
YoutubeからNHKのニュース音声を切り出してみました。
ヘッドホンを使って聞いてみてください。
testsound_org.mp3
次に、ちょっと細工した音声です。
左側からしか音が聞こえてこないように聞こえます。
testsound_edit.mp3
この音声波形ですが、実は左右とも「ぼほ」同じ波形です。右耳だけで聞くとちゃんと聞こえていると思います。

実は左のchだけ先頭部分を1ms削除しています。
つまり左だけ右よりも1ms早く音が聞こえるのです。
波形のお尻部分を拡大すると左chだけ1ms短くなっています。

自分の左耳から右耳までをメジャーで測ってみたらちょうど34cmくらいでした。
つまり左耳に入った音が頭部を回り込んで右耳に到達するのがちょうど1msくらいなので、音のレベルはほぼ同じなのに真左に知覚(右耳には音が聞こえないように感じた)ということなのでしょう。
面白いですね。
さて、上記の左chのみと家の近くで録音した環境音を合成してみました。
アナウンスがぎりぎり聞こえるくらいに調整しています。
これがちょうど1個のマイクで録音した場合の音になります。
testsound_mix.mp3
次に右chも含めて環境音を合成し、その後左ch先頭に1msの空白を追加した音です。
音声のタイミングは合致して、環境音は1msずれることになります。
testsound_mix_delay.mp3
アナウンスがはっきりしたと思います。
一方で環境音はエコーが掛かったような感じに聞こえます。
ただ、まだまだ環境音に埋もれてしまっていますので、環境音をもっと抑制しつつ、対象音を増幅するような処理が必要になりそうです。
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